今回はこちらの本をご紹介します。
タイトル | 「文章術のベストセラー100冊」のポイントを1冊にまとめてみた。 |
著者 | 藤吉豊、小川真理子 |
出版社 | 日経BP |
初版発行日 | 2021/1/8 |
備考 | 紙の本で読了 |
文章術の本、迷ったらとりあえずこの一冊!
- 文章を書くことに苦手意識がある
- ブログや創作活動で伝わる文章が書きたい
- 1冊で基礎的なことを学びたい
どんな本?
本書はタイトルのとおり、文章術の名著「100冊」のエッセンスが、1冊にぎゅっとまとめられたものです。
著者は現役ライターである、藤吉豊さんと小川真理子さん。
お二人が実際に、「文章の書き方」をテーマにした本を100冊読んだうえで、共通していたノウハウをランキング形式で紹介しています。
そう、著者自身や著名な作家など、誰かの感覚的な意見をプッシュした本ではありません。
この本が面白いのは、「100冊中●冊で、これが大事と言われていた」という調査結果をもとに、載っていた冊数が多い順=大事なノウハウ順にランキング化されているところです。
もちろん、例文や参考にした名著からの引用も充実していて、「具体的にどうしたら良いの?」、「誰が大事だと言っていたの?」というのも分かりやすくなっています。
仕事でのコミュニケーションや文書作成、レポートや論文の執筆、ブログやSNS発信、ライター業の方などなど……。
様々なジャンルで応用できる内容になっているので、「もっと上手に文章が書けたらなぁ」、「でも難しい本を読むのは苦手…」という方に、オススメしたい1冊です。
全体の感想
ざっくり感想
まず、私がこの本を読もうと思ったきっかけ…つまり文章力を鍛えたいと思った理由は、次のとおりです。
- ストレスなく読めて、言いたいことがちゃんと伝わるブログを書きたい
- とくに、好きなものの魅力を読む人に伝えたい
- 同人・創作活動の分野に活かしたい
- エッセイが好きだから、自分も面白いエッセイを書けるようになりたい
こんな感じ。
なので、論文やビジネスでの文章というより、ブログ発信や作品づくりに活かせる部分はどれだろう?という視点で読んでみました。
ランキングが40位まであるので、自分は何のために(何を書きたくて)この本を読むのか、を定めたうえで読んでみると、優先すべき項目がピンときやすいと思います。
読んでいて、「これできてないわ~」という反省も多かったです(笑)
なお、本書は小説(ストーリー)の書き方や、詩的な表現に特化した本ではありません。
ですが、読みやすく伝わる文章を書くための基礎的なノウハウは、小説などの創作作品でも役立つはずです。
他にもYouTube動画のシナリオなど、あらゆる媒体での活動に役立つと思うので、気になった方はぜひ手にとってみてください!
ひらがなと漢字はバランス重視で(3位)
さて、ここからは全40個のランキングの中から、個人的に強く印象に残ったことを2つ挙げていきます。
まずは、第3位の『文章も「見た目」が大事』から、「ひらがなと漢字はバランス重視で」という話。
著者がまとめた割合の目安としては、「漢字2、3割」、「ひらがな7、8割」だそうです。
パソコンなどデジタルで文章を書いていると、ついつい勢いで漢字に変換してしまいがちです。
また、昔の私は、「漢字で書けるものはとりあえず漢字にしといた方が、頭がよさそうに見えてカッコイイはず」と思い込んでいました(一種の厨二病に近い感性ですね。笑)。
たしかに、ひらがなが多すぎても読みづらく、少し幼稚な印象になります。
かと言って漢字が多いと、今度は「堅苦しい」、「画面全体が黒っぽい」印象になって、これまた読みづらいです。
本書には「ひらがなにしたほうがいい言葉」のリストも載っているので、こちらも参考にしつつ、ひらがなと漢字の使い分けを意識していこうと思いました。
余談ですが、思春期に椎名林檎さんに影響を受け、創作のタイトルなどを「漢字+カタカナ」の組み合わせにしていたオタクは私だけじゃないはず……。
日頃から内面を豊かに耕す(28位)
面白いのが、テクニックや日本語のルール以外にも、準備(心がまえ)やマインド面についてもランクインしていることです。
28位の『日頃から内面を豊かに耕す』なんてまさにそう。
テクニック面はもちろんですが、個人の人生観が反映され、内面の深さがあらわれることで、人の心を打つ文章になるという話です。
「言葉は身の文(あや)」と言われるように、言葉は、書き手の人柄、品位、心の様子、生活をあらわします。
これは、このページの冒頭に書かれている一文です。
私はこの「言葉は身の文(あや)」という言葉を、本書で初めて知りました。
素敵な言葉だなぁと思う反面、素の自分や人柄(品のなさ)が言葉からにじみ出てしまうと思うと、ちょっとドキっとしますよね。
色々な経験をし、たくさん文章を書いて、自分がおばあちゃんになる頃には、もっと上品で味わい深い文章が書けるようになっていたらいいなと思います(笑)
個人的アクションプラン
本書はランキング形式になっているので、本来であれば、1位~3位を優先して取り入れるのが良いのかもしれません。
ですが、自分の中でとくに「意識しよう」「やってみよう」と思ったことを、なんとか3つに絞ってみました!
- 1文はシンプルに、見た目を整える
- 「読み手」を強く意識する
- この本に出てきた文章術の本を3冊読む
※「内面を耕す」が入ってないやんけ!って感じですが、少し抽象的でアクションプランとしては意識しづらかったので、あれは別枠とさせていただきます(笑)
一つ目は、1位の『文章はシンプルに』と、先述した「ひらがなと漢字のバランス~」を合わせ技にしたものです(無理やり)。
二つ目は、とくにブログで大事だなぁと感じた、18位の『「読み手」を強く意識する』。
文章術以前に、誰に向けた記事なのかがぼやけていると、伝えたいこともぼやけてしまいます。
あとは手帳の話や同人グッズ関連の話だと、ついつい専門用語を連発しそうになってしまうので、そこは反省しています(対象者にもよりますが「バーチカル」とか「塗り足し」とか、みんなが通じると思ってはいけない…)。
そして最後に、ランキングとは別ですが、「この本に出てきた文章術の本を3冊読む」というアクションプランです。
本書の巻末では、ランキング作成の際に参考にした書籍のリストが載っています。
また、各順位ごとにとても興味深い引用がたくさんでてくるので、気になった本を実際に読んでみようと思いました。
もちろん読むだけでなく、たくさん書いてみることも大事!
まとめ
本書のランキングは1位~40位までありますが、一度に全てを活かそうとするのは難しいと思います。
「一般的に重要そうなところ」を抑えつつ、あとは「自分にとって大事そうなところ」をピックアップするなど、ランキングを上手く活用して、優先順位の高い内容から取り入れていけたらいいなと思いました。
また、本書のあとがきでは、著者のお二人がそれぞれ大切にしていることについて触れています。
内容ついてはぜひ実際に読んでいただきたいのですが、テクニック論とは別に、自分が文章を書くうえで大切にしたいポリシーのようなものをひとつ持つというのも、素敵だなぁと感じました。
私は『親しみやすくて、読んだ人が楽しくなる(笑ってくれる)文章』が書けるようになりたいですね…!今のところですが(笑)
余談ですが、文章術の本を紹介するのって、実はちょっと勇気が要りました。
だって、「本読んだのに上手くなってないじゃんw」と思われたら恥ずかしいじゃないですか(なんか、著者の方にも申し訳ないし…笑)。
でも、実際に書き続けることでしか上達はしないし、本書を読んで心構えやマインド面での大事なことも知れたので、書くことへのモチベーションが上がりました。
文章を書くことに苦手意識がある人も、すでに書くことが好きな人も、今よりもっと自分の文章に自信が持てるよう、一緒に頑張っていきましょう(笑)